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須田幸子 戸沼ひとみ 福武順子 『三人の人形展 2012』 [102:11/20-11/26]

同じ人形の学校に行っていた、三人の作家さんによる展示です。

まずは、須田幸子さんの作品の紹介です。
 こちらは「自転車の少年」
少年の人形というと、レースやドレープのついたシャツを着た耽美でアンニュイ、病弱な美少年を想像してしまうのですが、こちらはスポーティーな作品です。バンダナにサイクリングウェア、スニーカー。手も自転車のグリップを握れそうなポージングです。こういう人形もあるんですね!

 こちらは並んだ美少年。
並んでいると、まるで夢でも語り合っているかのようです。配置によって物語が生まれるのが、人形という作品の面白さなのかもしれません。

 指も細かく、とても綺麗に作られています。爪まで綺麗。

お次ぎは戸沼ひとみさん


戸沼さんの人形は、とにかく雰囲気があります。そしてカメラを向けてみて思ったのは、フォトジェニックな人形だということ。顔に力があり、どうシャッターを切ってもさまになってしまいます。


最後は福武順子さん
 福武さんのお人形は、ご本人もおっしゃっていたのですが、実物の魅力が写真では伝わりきらないです。きらきらしたおめめやふわっとしたほっぺの魅力が、なぜか写真になってしまうと薄れてしまう。機会があれば是非直接観て欲しいです!

 衣装も一つひとつ、とても凝っていました。

広がるドレスや背景のクリスマスの飾り付けにうっとりします。

帽子や靴の細かさにため息が出ます。


今回の展示を見て感じたのが、作家と人形の距離感のちょうどよさです。まず、タイトルに名前がついているものがほとんどなく、たいていが「少年」「少女」、「無題」というものまでありました。人形作家さんは一体一体への思い入れ、耽溺の強い方が多い印象があり、「作品は自分の子供のようなものです」という発言もよく耳にしていました。もちろん「無題」だからといっても、時間をかけて作っている訳で、愛着がない訳ではありません。「それよりもまず、作るのが楽しくて」という発言が忘れられません。

性格的なものもあるのかもしれませんが、多くの人形を作ってきたから生まれてきた適度な距離感なのかなと思うと、制作・発表を続けているこの作家さん達をとても素敵だなと思うのです。

DF STAFF KOZUE