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エ.ノナカ


霜焼きトマト

『エ.ノナカ』



スペースに入ると目の前には大きなスクリーンに映像が流れています。


その後ろを覗いてみるとそこにも映像が映されています。
普段はスクリーンを壁につけて映写しているので
後ろにも反転され映しだされることを知りませんでした。

正面にはフレームがはめ込まれています。
このフレームがあることによって、同じ映像でも
印象や見ているものが違うものに見えてきます。
その違いを楽しむのもおもしろいです。

そしてそれだけではありません。
このフレームをよく見ると日本列島の形をしています。
なぜ日本列島なのか。
それは霜焼きトマトさんの深い想いがこめられているのです。

東日本大震災から2年。
当時のニュースでは、悲しみだけが報道されました。
そして"沈む"という悲しみが強く印象に残りました。
しかし、津波によって沈んでいった人たちを
"沈む"というのではなく、
"天国に昇る"という意味も今回の作品に込められています。







"沈む"から"昇る"という前向きな姿勢に変化することが
悲しみを癒してくれるような気がします。

復興支援を叫ばれていますが、"支援"とはなにか。
支援するということは当事者ではないから使える言葉ではないか。
大震災は日本に、自分たちに起こったことなのです。

忘却、無関心

いつの間にか人間が陥ってしまうこと。

でも、そろそろ真剣に現実と向き合う時期ではないのか。
他人事ではなく日本のこと、自分のこととして考えるきっかけに
なって欲しいという霜焼きトマト願いが作品に込められています。

タイトル"エ.ノナカ"に入る。
正面からみる。
裏をみる。
その絵の中に入る。
自分も一員となる。

自分のこととして考えるという、気付きを与えてくれる作品です。

ぜひご覧ください。




まいこ