中島 圭一郎さん
" 佐賀県立有田窯業大学研究科卒業。
有田・波佐見での修行を経て、2002年に独立。
主に陶板を制作し『TOBAN ART』として発表している。"
かち割られた陶器の欠片。
スペースの床に堂々と胡座をかいている。
欠片は器としての用途を放棄したかわりに、
欠片は異なるアイデンティティーを手に入れた。
陶板アートのはじまり
一枚は無数の破片となり、そのひとかけらごとに新たな生命が宿れた。
個々、歪な形状かつ与えられた狭い面積の中で、
筋肉のうねり、雄叫び、野生児の佇まい/生命活動が見事に描かれている。
散乱した生命の欠片が密集する様、
星座を眺めているような気分になってくる。
その場所は正反対、地に横たわっているというのに。
さぁ、地から視線を上げて。壁には"獣面"が飾られている。
ここでも動物/生物がモチーフになっています。
動物の頭部を切り取り、装飾を施した装いの面。
動物のイメージと、人間身体/文化との融合を計ったかのような面。
壁にかけられた図は剥製にも似ている。
お面といえば儀式/祭礼のイメージがまず浮かびます。
表情を覆い隠す、または別の人格に成るという目的。
その文化自体が人間独自のものでありましょう。
至る所で光るゴールドを精製する技術も人間の努力の結晶であり、
"作るもの/作られたもの" であることを強く訴える。
「人間」と「他者」というおおまかな枠を設けるならば、
中島さんの作品は、二者を重ね合わせることで、
二者間に存在する境界線を取り除こうとする行動にも見えるのです。
第三者を創造したいようには見えないのは、
至る所で、文化の重みを尊ぶ様子が伺えるから。
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陶芸/陶板へ真摯に向き合う中島さんの作品/展示。
7月13日(金) までの展示となります。お見逃しなきよう。
(ぱんだ)