" 好きなものを、好きなだけ "
それは可愛らしい想いがこもった現実逃避
うみさん、まゆさん。
女子大生二人による現実逃避。
カラフルで丸みを持ったイメージが随所に。
" うさぎと少女たち "
計5枚のイラストからなる作品。
うさぎの面をかぶった少女と向こう側を向く少女の一連。
つまりは彼女達は素顔を晒さない。
物理的な距離の近さ、
親密的な行動の連鎖。
互いの存在の尊さが痛々しくもある。
面で表情を隠されてはいるけども、
彼女達の背景、滲む水彩絵の具からは、
彼女たちが泣いている姿が見えてしまう。
mayuさんの作品は絵の置き方も特徴的、
インスタレーションに半身をうずめている。
絵画と周囲の観客 という言い方もできる。
部屋の至るところに張り巡らされたマスキングテープは、
作品の延長線上、シームレース。
実は部屋の上部にもそんな工夫が凝らされています。
" 逃げたい "
部屋の一角に集中し、生える花々。
床から/壁から、場所を選ばずに生える生命力。
解放を求め、頭上をあおぐものの、
それでもここはスペース内(閉じた空間)という皮肉。
それは 現実逃避 の縮図にも見える。
剥がされたらこの華やかな景色は、
テープの欠片に落ちてしまう。
夢にも似た光景。
今回の展示タイトル「現実逃避展」
ここは「現実逃避」する空間なのか?
「現実逃避」した結果の産物なのか?
それとも、もっとフラットなもので。
過ぎ去ったモラトリアムを繰り返し味わう機会なのか。
答えを探すよりも、
勝手に答えを見出してみたくなる展示。
10月28日(日) までの展示です。
(ぱんだ)