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comic cherry


ふたごアートユニット
「 comic cherry 

かわいいだけじゃない、なにかもっと、面白いもの、ちょっとのズレ感…
単純なかわいさだけじゃない、みんなが探し求める
"素敵かわいい"ものを考え、たくらみます。

WEST : 2-C にて




シラタアユさんとシラタユキさんのお二人のユニット " comic cherry "

展示会も中日となりました為、
展示会場/作品のご紹介をさせて頂きます。

はじめにご紹介するのは、シラタアユさんの作品



" 無題 "

区画線の外に佇む女性、頭部には鹿のツノ。

彼女が居るのは、見知らぬ郊外にある工場街。
トラックの通行を考慮してか、広く幅がとられている道路。
描かれた風景のフチは白く塗られ、
それは一枚の風景写真のようだ。

写真は、過去を切り取るものだから、
この情景は過去のものだとして。

一枚壁を隔て、その現実を直視させようとする。
延々ともくもくと吐き出されるグレイの排気を遠目に。
鑑賞者の想いを


" ニンファドーラ "

こちらの作品は対面に位置する後ほどご紹介する
シラタユキさんの作品" ちょっと そこ どいてよ " と
対の関係性を持っています。

小豆色のキャミソールに浮かぶ、生地幾何学模様。
真っすぐに、真正面を見据える少女。
その瞳が捉える情景は、瞳にそのまま蓄えられて、
彼女は、その光景に陶酔しているようだ。
眼前で切りそろえられた前髪を見ていると、
ゆっくりとした時間の流れに誘われる。

ニンファドーラ、言葉の意味も知らずに、
たゆたうように鑑賞致しました。


" 薔薇の頭の女 "

薔薇 を思い浮かべたとき、真っ先に思い浮かぶのは
あの独特な赤み/色でした。
薔薇といっても全ては真っ赤に咲き誇るわけでなく、
他にも色は存在するのだけど。

薔薇は女性のイメージに、
そして描かれた女性に、良く似合うなぁと思う。
豊満な肉体/裸体の上に巻かれた薄く、黄色いドレス。

このドレスの色と対比して、錦鯉のように鮮やかな花。
煙のように、水たまりのように
彼女の思考と彼女を形作るものは変容を遂げてー


続いてご紹介するのは、シラタユキさんの作品


" ちょっと そこ どいてよ "(写真左)

ユキさんの作品の特徴。
構図や配色がパズルのピースを当てはめるかのごとく
この色しかないんだ、と訴えかけてくること。

強気な表情の女の子がまとうのは対面するアユさんの作品と同じ
小豆色のワンピース。
チェリーのモチーフは二股だったり、三股だったり。

観客に届くまでのプロセスが簡略化されていて、
より直接的な描写方法であると思う。


" グッピー "

色鮮やかなお魚、グッピー二匹が
キャンバスの中を泳いでいる。

私の知っているグッピーは水中で、外光を受けて、
きらきらと光るのだけど、彼女のグッピーは
主に6色の絵具で描かれている。

抽出、そして削ぎ落とす。
この思い切りの良い構造が、
フラットな支持体上で美しく光っている。

標本という言葉が似合うかもしれない。


" 小国 "

天然記念物である小国鶏(しょうこく/おぐにどり)を描いた一作。

スクエアのパネルは鳥籠のように限られた空間をイメージさせる…
と思いきや、堂々たる風格であります。

ユキさんの作品を言葉で伝えようとすると、
どんどん想いから離れてしまう気がする。

佇まいをただ、みて欲しい。


さて、先ほどご紹介致しました " ちょっと そこ どいてよ "
お話によると、めでたく成約となったとのこと。

都内近郊のカフェに飾られるかも? と笑顔で仰っていました。
おめでとうございます。




ちょっと駆け足でご紹介しましたが、
キャンドル、ブローチ、ポーチ、バッグらは全てハンドメイド
(ポーチやバッグの裁縫も彼女達が行いました)

ーチャックが内側の生地を噛まないように、
昨晩はご友人宅でアイロンがけを徹夜でなさったとか、おつかれさまです。


" 希望と不安 "

最後に上記、ユキさんの作品をご紹介致します。


映っているのは本当のわたし?
他人がみているわたしが本当のわたし?
鏡に映っているのはわたしの創造の自分?
人が見ているわたしは違う顔をしているのかもしれない


映画「耳をすませば」における
主人公/雫の夢の中に出てくる宝石のタイルをモチーフにした作品。


記念に " 希望と不安 " 越しに撮影を行って頂きました。
(いかがでしょうか?)

ほとんど触れませんでしたが、comic cherry は一卵性の双子
双子だからこそのコンプレックスもあるけど、
双子だからこそ言い合えること、
双子だからこそこのような展示会ができる、と。

仲良しふたりぐみ。
期間中は在廊なさっています。

5月7日(火) までの公開です。
皆様のご来場お待ちしております。


(ぱんだ)